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安堵。

『・・・・・・・・・・・・・。』 えーと。 廊下には、ほけーっと佇む俺。 昼休みの浮かれたざわつきの中、ひとり取り残された錯覚に陥る。 えーと? 確かに、学校では話しかけるな・・・って 言ったけど。 そんな一方的な約束を・・・守ってくれた・・・? って事? だよな・・・・・? ・・・・・・意外。 そっかー。 いいトコあるじゃん! よし!ご飯、ご飯♪ もう隠れる必要はなくなったけど、せっかくだから、どこかいつもと違う場所で、お昼ごはんにしよう。 俺は、お弁当を手に、とりあえず歩き出す。 とはいえ、目立ちたくない俺は、人が集まる場所を避け、誰も来そうにない校舎裏でお弁当を広げて のんびり食べた。 校舎裏・・・って言っても、陽当たりのいい快適な場所。 いつも同じ場所で、同じ行動を好む俺だけど、たまには こうやって いつもと違う事をしてみるのも いいのかもしれない。 なんて思ったりして。 ぽかぽか暖かい陽射しが気持ちよくて、目を閉じる。 もう話しかけてくる心配はしなくていいし 逃げたり、隠れたりする必要もない。 平穏無事に過ごせそうで、一安心。 ああ・・・・・幸せ♪ でも・・・・・ 寝不足に加え、満腹と暖かい陽射し。 これで眠くならないワケがない。 ちょっとだけ・・・ ちょっとだけ・・・ 言い訳しながら ウトウトと浅い眠りの中を漂う。 そして、当然の事ながら、この気持ちのいい最上級の眠気に勝てるワケもなく ちょっとだけのハズが、俺は (またしても) 深い深い眠りに堕ちていった。

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