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まちぶせ。

『佐野山、大丈夫かー? もう、学校で寝るなよー?』 『う・・・・は、はい・・・・///////』 帰りのホームルームで 担任に声をかけられて 一斉にみんなの注目を浴びてしまった。 は、恥ずかしい・・・・・////// 消えたい・・・・ っていうか、空気になりたい・・・・・。 出来るだけ縮こまって存在を消す。 幸いにも、それ以上からかわれる事もなく でも、自分にとっては 地獄のようなホームルームが終わると・・・、猛ダッシュで教室を飛び出した。 文句もお礼も どうでもいい! 今日はもう、さっさと帰ってしまおう。 俺のオアシス(家)に・・・・・・! でも・・・気をつけないと、 学校が終わった今・・・・いつ、アイツらが話しかけてくるか分からない。 見つかる前に、学校を出ないと!! とにかくダッシュだ・・・・! 願いが通じたのか、2人に会うことなく 学校を出る事が出来た。 そのまま しばらく走って、もう安全だと思える所まで来て、走るのを止めて ゆっくりした足取りに変える。 もしかしたら・・・アイツら、学校では話しかけてこない、と仮定して・・・ こうやって、学校 終わって すぐにダッシュで帰れば・・・絡まれなくてすむんじゃ・・・? おお♪ 名案!俺、天才! なんだ、簡単じゃん♪ ルンルンで家に着いて、玄関の鍵を開ける。 中に入ろうとドアを開けた、まさに その時。 『おかえり、みっきー♪』 『おかえり、みー♪』 いきなり後ろから・・・玲音と咲哉が現れた。 『・・・・・・・・・・・・っっ!?』 な、なんで? なんで、ここに居るんだ? 突然の襲撃に固まる。 すると、玲音が 俺から鍵をひょいっと 取り上げ、せっかく開けた玄関の鍵を閉めてしまった。 『・・・・な・・・なに・・・・?』 『はい。鍵 かけた♪』 『じゃあ、行くか♪』 『・・・・・・・・・・・は?』 どこに? 唖然としている間に、昨日と同じように両腕をガッツリ掴まれ、2人に挟まれた。 『さ、行きましょう♪』 『行きましょう♪』 『え?え?ど、どこに・・・・・』 聞くと、玲音がニコニコ笑いながら言う。 『今日は俺んち♪』 『そう。玲音んち♪』 『は・・・・?はあっ !?ま、待て待て・・・っ! イヤだぁ────────っ!!!』 そうして・・・・今日もまた 抵抗虚しく 俺は、2人に挟まれたまま、無理矢理 歩かされ、なんか やたら長い大きな車に乗せられて、いとも簡単に連れ去られてしまったのだった・・・・。

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