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玲音の家
『着いたよー。ここが俺んち。』
ドーン。
『・・・・・・・・・・。』
ドドーン。
目の前には、黒い重厚な豪邸。
『・・・・・・・・。』
なに、ここ・・・・!
コイツんちも すっげー、でかいっ!!
しかも・・しかも、咲哉の家の隣・・・!
なんなの・・・・。
なんなの、コイツら。
昨日と同じく、口を開けたまま、ポカーンと豪邸を見つめていたら、クスクス笑う声がして、ハッと我にかえった。
『さ。どうぞ、我が家へ~。』
ご機嫌で俺の手を握った玲音と家の中へと入る。
広い・・・・・。
『こっちだよー♪』
手を引かれながら、なんだか やたらゴージャスな手すりの階段を上がる。
よし。
今日は帰り道をしっかり覚えとこう・・・。
っていうか・・・・・今さらだけど、
今日も、自宅に 連れこまれてしまった俺だけど ・・・大丈夫なのだろーか。
不安だ。とてつもなく。
──って、ほぼ無理矢理 連れてこられたんだから、仕方ないけどさ!
し、仕方ない・・・よな?
仕方ない・・・よね?
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