38 / 700

玲音の家

『着いたよー。ここが俺んち。』 ドーン。 『・・・・・・・・・・。』 ドドーン。 目の前には、黒い重厚な豪邸。 『・・・・・・・・。』 なに、ここ・・・・! コイツんちも すっげー、でかいっ!! しかも・・しかも、咲哉の家の隣・・・! なんなの・・・・。 なんなの、コイツら。 昨日と同じく、口を開けたまま、ポカーンと豪邸を見つめていたら、クスクス笑う声がして、ハッと我にかえった。 『さ。どうぞ、我が家へ~。』 ご機嫌で俺の手を握った玲音と家の中へと入る。 広い・・・・・。 『こっちだよー♪』 手を引かれながら、なんだか やたらゴージャスな手すりの階段を上がる。 よし。 今日は帰り道をしっかり覚えとこう・・・。 っていうか・・・・・今さらだけど、 今日も、自宅に 連れこまれてしまった俺だけど ・・・大丈夫なのだろーか。 不安だ。とてつもなく。 ──って、ほぼ無理矢理 連れてこられたんだから、仕方ないけどさ! し、仕方ない・・・よな? 仕方ない・・・よね?

ともだちにシェアしよう!