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みっきーの誕生日☆19
でも・・・・
“許さんっ!”
って 思ってもさ・・・
ここ、初めて来たところだから
出ていく事も出来ないし・・・
どうしよう・・・
あれこれ考えた末、
俺は3人を無視することに決めた。
『・・みっきー?』
『なぁ、みー?』
『光希くーん?』
『・・・・・・・・』
つーん
無視、無視。
誰とも目線を合わせず
目の前のコーヒーにも手をつけず
っていうか
冷めてて飲めないだけなんだけど。
(苦いからね)
まあ、それはとにかく
“怒ってます” を アピール。
しばらく、その状態が続くと
最初はヘラヘラしてた3人も
段々 しょんぼり元気をなくしていく。
『みっきぃ・・・』
『み、みぃ・・・』
『光希くん・・・』
『・・・・・・・・・・・』
顔は見えないけど、多分 捨てられそうな
大型犬みたいになってるんだろうな・・・
かわいそう・・・かなぁ・・・
(特に 隆太郎さん・・・)
はっ。
なんて!
思っちゃダメだ、俺!
いつも いつも俺ってば
そうやって騙されてきたじゃないか!
ここは心を鬼にして・・・・
無視、無視
断固 無視!
頭の中で 自分を説得する。
───すると、
玲音と咲哉が立ち上がる気配がした。
目の端に2人がカウンターの中に入ったのが映る。
しばらくカチャカチャ 音がして・・・
カシャンと目の前に なにかが置かれた。
ふんわり甘い香りが鼻をくすぐる。
・・・いい匂い
なんだろ、これ・・・
いい香りに、つい目線を下げると
そこにあったのは・・・
『わぁ・・・・!』
ハートが いっぱい重なった
ラテアートがしてあるコーヒー、
それに、(大好きな)チョコレートケーキ
だった。
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