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犬の気分。
── それから、数分後。
『みー。ほら、こっち来い。』
『・・・・/////っっ、い、いい・・・っ////』
浴槽のそばで、バスタオルを広げ 待ちかまえる咲哉。
1人で上がるって言ってんのに、
聞き入れてくれない。
『みっきー、咲哉に拭いてもらったら?』
『い、いい・・・・/////っ!』
玲音も そうさせる気はないらしく、
のんびり傍観を決め込んでいる。
『みー、来いよ。』
『いいってば・・・//////っ!』
もう、いい加減にしてほしい。
逆上せる・・・・っ!
逆上せそうだから!
でも、でもでも・・・・あそこ(バスタオル)に
飛び込んでいく勇気はない。
『あー。分かった。恥ずかしいんだ♪』
『うっさい//////!』
『分かった 分かった♪』
『・・・・・っ!ちょ・・・っ、なに・・・っ !?』
玲音が、勢いよく立ち上がった・・・かと思うと、俺をグイーッと引っ張って立たせた。
そして、素早く 横抱き・・・いわゆる 世間で言うところの “ お姫様だっこ ” をする。
『え・・・・?』
『ナイス!玲音 ♪ 』
『はい、どーぞ ♪ 』
そこに、すかさず咲哉がやって来て、俺を
玲音から 受け取った。
『ちょ・・・ !? お、下ろせ──っ/// !!』
暴れる俺をものともせず、咲哉は俺を
抱えて歩く。
そして、ソファーに座ると、俺を膝の上に乗せ、優しく優しく体を拭き始めた。
『・・・・・・・・・』
『みー、寒くないか?』
咲哉が、こめかみにキスして、 聞いてくる。
『・・・・・う・・・・・・、うん。』
『そっか そっか♪』
『みっきー!髪 乾かしてあげる♪』
バスローブを着た玲音が、ドライヤーを手に 走ってくる。
「自分でやるから いい!」って、ホントは 言いたいところ・・・だけど、なんだか気が抜けて・・・あと、楽しそうにしている2人に 言えなくなってしまって (言っても どうせ聞かないだろうし)・・・・好きにさせる事にした。
2人がかりで体を拭かれ、
髪を乾かされ・・・・
楽チンで気持ちいいけど
なんか・・・・犬になった気分。
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