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初参り
海棠×月也
※
大晦日の夜は、二人で過ごして――朝、いつもより少しだけ寝坊をしてから、初詣に出かけた。
海棠には、クリスマスプレゼントにと用意したコートを着せて。
月也は、お返しにと海棠が編んでくれたマフラーをして。
二人、手を繋いで近所の神社へと向かった。
……香一郎の元を離れてからは、一度も初詣には行かなかった。
神なんて、信じられなかったから。そんな自分が行く場所では、ないような気がしたから――けれど。
「一緒にいたいって、お願い出来るんでしょう?」
だから、初詣に行きたいのだと――そう言って笑うロボットの少年に、反対出来る訳がない。
(それに……)
今でも、神なんて信じられないけど――国崎が惚気を聞きたくないと言うのなら、何処かの誰かに聞かせるのも悪くないと思ったので。
……自分の罰当たりな考えに、こっそりと口の端を上げながら。挑むように、月也は賽銭を投げ入れた。
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