3 / 10
第3話
「え、俺普通に年上かなと···」
「俺そんなに老けてますかね。よく言われるんですけど···」
「いや···多分、落ち着いてるし、タッパあるから···」
「落ち着いてる?俺が!?こんななのに!?」
ケラケラと笑い出した泉田さん。その時の様子は年相応かなと思う。
「年下の友達は、嫌ですか?」
「嫌とちゃう!俺年下大好きやし···ほら、可愛いやん?あ、でもやっぱり敬語要らんよ。あと俺の名前は健人。”賢い”じゃなくて”健康”の方ね」
「わー!個人情報教えてくれた······だめですよ今時簡単に教えちゃ。悪用されちゃいます。」
「そんなんする子とちゃうやろ。そうやそうや、下の名前なんて言うん?」
長い間話してたら泉田さんが怒られるやろか。早いところ切り上げてあげなあかんのやろうけど、話してるのが楽しい。嫌なこと忘れられそう。
「将斗 です!んーやっぱり敬語じゃないと話しにくい…徐々に慣らしていきます」
「何でもええよ。じゃあまた連絡するね。バイト頑張って」
「はい!また!」
本屋を出て、食材を買いにスーパーに行って、それから家に帰る。
帰ったら洗濯物しよって思いながら。
ともだちにシェアしよう!