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第4話
家に帰って洗濯物して、部屋の掃除もした。
ご飯作って、一人で寂しく食べて、お風呂に入る。
「はぁ···」
ビールを飲みながら、近いうちに編集の人に送らなあかんものを確認する。
いつもより売れてるから、コメントを出すとか、なんとか。あんまり実感湧かへんからそんなん言われても困るんやけど。
何言おうかなって考えてると、今日あった将斗のことを思い出して、連絡しやんと···と携帯を手に取る。
最近の高校生は食べ物何が好きなんやろう。肉とか?それなら焼肉にでも···考えながらメッセージを打ってると、送信するより先に向こうからメッセージが入った。吃驚して携帯を手から落としてしまう。
「焦った······」
携帯を拾って、メッセージを見ると”今日はありがとうございました”って内容。絵文字もつけてなんや可愛らしい。
「よし。ご飯誘お」
そのメッセージに返信をする。
ご飯行こうってのと、何の食べ物が好きなのかと、都合のいい日と、全部合わせて。
「······今から仕事するか」
将斗がすごいファンやって言うてくれてた。応援してるって会う度に伝えてくれる。それに応えたい。
「······よし」
作業部屋に篭って、キーボードをカタカタ打つ。憂鬱な気持ちに支配されていた心は、将斗のおかげで温かくなって、やる気が湧いてくる。
次も絶対当てたる。いつか俺の名前を知らん人がおらんくらいにしてやる。
そんな野望を胸に、頭と手を一生懸命動かした。
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