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第2話

「ほら、起きて。」 「んぅ…もうちょっと…。」 はぁ。と秀がため息をつく。 「今日は買い物する約束だろ、久しぶりに休みが重なったんだから!」 秀は鈴に掛けられていた毛布を剥ぎ取る。 鈴は外気にブルリと身を震わせた。 毎日秀に起こしてもらうのが日課となっている。 「ん…あー、おはよ。」 「おはよ。さぁ、準備して!」 秀が鈴の髪の毛をセットする。 その間に秀が用意した朝食を食べ、歯を磨く。 これも日課である。 「前から思ってたけど、秀がいなかったら俺、廃人になりそう。」 「大丈夫だよ。ずっと一緒にいるんだから。しかも番契約もするんだよ?」 昔から秀は俺の世話を喜んでする。 下の事まで。 番になるからこんなの当たり前だとアイツは言うけど、これが変だというのは薄々気づいてる。 変だとそれとなく言ったこともある、けれど…… 『え、何言ってるの?これが俺達の普通だよ。』 『そうだなぁ、次そんなこと言ったら…』 アルファ特有の威圧を出され、恐怖心と強者に支配される快楽に口答えなど出来なかった。 二度とあんな思いはしたくないと鈴は再確認する。 「はい。出来た。今日も可愛いね。」 そう言って秀は額にキスを落とす。 秀の事は好き。 だけど、正直よくわからない。 番だと決まっているからこの感情があるのか。 親愛から来るものなのか。 「秀、行こ。」 「あ、ちょっと待って。首輪つけて。」 Ωは不用意に番にならないように首輪をつける。 でも、首輪がΩの象徴のようで鈴は着けるのを渋る。 「大丈夫だよ。もう少ししたら、この首輪は不要になる。」 発情期中に項を噛まれると番契約が行われる。 これが最善なのだ。

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