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第4話
"運命"なんていらなかった。
だって"運命"ができたら、
俺と秀はどうなる?
一緒に住み、昔からお互い番になる心構えをして、2人で楽しく過ごしていたのに。
ガラガラと崩れていく音がする。
秀への気持ちにヒビが入る音がする。
幼馴染で番の約束したって
運命は絶対だ。
"運命"に惹かれるに決まってる。
今の俺がそうだから。
「鈴?ねぇ、どうし…た…っ!」
異変に気づいた秀が俺の視線を追いかける。
咄嗟に秀は鈴の目を塞いだ。
「鈴は何も見てないよ。何も。だから、」
「ねぇ…。」
知らない男の声がする。
秀より少し高くて品がある声。
いや、知ってる。本能が知ってる。
「僕の番だよ?汚い手で触らないでよ。」
_僕の番_
その言葉をきいたとき、鈴はゾワゾワとした快感が身体中をかけ巡った。
彼の__
番になりたい。__
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