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第10話
鈴はこの状況を理解出来ないでいた。
今日、発情期は来ない筈だ。
周期がズレる事はほぼ無い。
彼にあったから?
「違うよ。」
秀は鈴の考えを見抜いたかのように言葉を返してきた。
「どう言う、こと?」
「お茶に発情誘発剤を入れたんだよ。初めて使うからどうかなって思ったんだけど、上手く行ったね。」
悪寒がする。
秀はこんな事するような人じゃなかった。
「買い被りすぎ。鈴には俺以外の番候補がいなかった。だから余裕でいられた。でも、状況が変わったんだ。」
運命の事だ。
「さぁ、鈴の部屋に行こうか。」
いやだ。嫌だ、嫌だ!!
力一杯抵抗していると、頬を叩かれる。
「まだ足りない?抵抗するの?いいよ。"躾"も大事だよね。」
いつも優しかった彼が
恐怖でねじ伏せようとする彼に言葉が出なかった。
「ほら、行くよ。今日、お前は俺の番になるんだ。」
ギラギラとした目で見つめられ、早く犯してほしいと思う俺と、恐怖と運命への気持ちを抱く俺がせめぎ合う。
もう、無理だ。
早く
___気持ち良くなりたい。
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