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第12話
鈴は目を覚ますと首に違和感を覚えた。
南京錠付きの首輪が付いていて、鎖でベッドサイドへ繋がれている。
現状を把握しようとすると、部屋の扉が開いた。
「起きたんだ。身体は平気……じゃないよね。」
秀は不気味な程笑顔だった。
「なんでそんなに機嫌がいいんだよ………。」
だって…と言いながら、秀は鈴の項を見つめる。
その瞬間、ゾワゾワとした快感が身体中を巡った。
「だって俺の番がこんなに可愛いんだから…。」
"番"
「なら、なんで繋いでるんだよ。」
番以外には香りが効かない為、外に出ても安全だ。
その為の番契約でもある。
「なんで?だって、俺以外の人と会う必要なんて無いでしょ?仕事だって、鈴と暮らせるくらい稼いでるし。」
鈴は唖然とした。
そして、秀の性格を見誤っていたんだと感じた。
昔から、何をするにも一緒。
でも、それは趣味が合うというわけではなく単純に鈴に合わせていただけだったと今更気付く。
中学の部活。
高校。
バイト先。
「鈴がそこなら、俺もそうしようかな。」
これが彼の口癖でもあった。
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