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第14話
終わりはすぐそこまで来ていたらしい。
____
秀は仕事で今はひとり。
流石になにもないのは暇すぎると訴えたところ、本をくれた。
どれも鈴が興味をそそられるようなものばかりで、感心するとともに、ゾッとした。
最近秀は忙しいのか長くこの部屋にいない。
それを寂しいと感じる自分にほっとする。
まだ彼に対して気持ちがある事に。
彼を嫌いになっていない自分に。
そんなことを考えていると玄関の扉からガチャガチャという音がした。
___帰ってくるには早すぎじゃないか?
玄関の扉からこちらへ足音が近づいてくる。
足音が扉の前で止まるとコン…コン…とノックされる。
秀ならそんなことするわけが無い。
「……だれ?」
____やっぱりここにいたんだ。
耳に馴染む声。
どうして?
どうしてあなたがここに居るの?
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