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第17話

彼は一瞬目を細めたが、すぐに戻り、ニッコリと微笑む。 俺を捨てないで。 慎と生活していても秀の事が頭にちらつく。 怖い、捨てないでそう思う自分と 運命に触れたいと思う自分。 秀の番なのに一途になれない。 最低だ。 でも 彼に触れたい。 したい。触りたい。 できる距離にいるのに、この”首輪”が邪魔をする。 しかし、秀を裏切ることも出来ずにいた。 秀がいれば落ち着くし、彼に対して心からの”親愛”がある。 "本能"が安心する場所と"心"が安心する場所。 2つ共欲しい思うのはいけないのだろうか。 欲ばりすぎていることはわかっている。 でも、欲しいのだ。 「ッ!!ぁぁあ…、な…んで?………あぁ……あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッ!!!!」 そんなことを考えていた罰なのだろうか。 首から全身に鋭い痛みが走る。 やけどのような痛みに針が刺さるような痛み。 身体中の血液が沸騰する。 痛い。熱い。いたい!! 声に出そうとしても、身体が正常に動かない。 朦朧とした意識の中で、捨てないで欲しいという想いが頭の中を掛け巡った。

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