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第20話
「鈴、ごはん食べようか。シュウも席について」
鈴は慎に抱えられ、スプーンで口元まで運ばれた物を食べていく。
少し硬いものは慎が咀嚼し、口移しをしてくれる。
慎の気分が良い時はシュウに許可を出し、それを彼が行う。
基本、鈴の身の回りのことは慎が行うが、慎が仕事でいない時はシュウが行う。
その時のシュウは取り上げられていた自分の人形が返ってきたときの子供のようにはしゃぎ、鈴を片時も離さない。
しかし、殆どの日は慎がいる。
慎は自分で会社を経営し、時々、シュウの意見も聞き、経営に取り入れていく。
やはり、どちらも恵まれたαなのだ。
Ωの自分とは出来が違うと感じた。
★
「…ぅ……ぁぁ……んぅ…」
「あはは、鈴きもちよさそう。かわいぃ。」
シュウが鈴の蕾を指と舌で慣らしていく。
ぐちゅぐちゅと掻き回し、ぐりぐりといい所を少しずつ攻めていく。
「…んぅ……ッ!……ッ!」
ただでさえ身体が衰弱してしまった上に耐えず快楽を与え続けられる。
毎晩。毎晩。
もはや習慣のように身体を繋げる。
「準備できた?」
慎はいつもシュウに"準備"をさせる。
決して先に挿れさせはしない。
これは自分の方が上だと認識させる為に必要な事らしい。
"秀"はあくまでもペット。
それを己が忘れても身体が覚えるように躾けている。
「じゃあ、シュウはいつものように先に口で。」
「ぁ……ぉ…ぉ……」
「なに?名前呼ぼうとしてくれてるの?本当に可愛い。」
よかった。
伝わった。
慎が中に入ってくる。
あぁ、気持ちいい。
いっぱい、きもちいがあってこのじかんがいちばん……すき。
「ッ!……ぅ…!ぁ………っ!」
「あー、きもちい。鈴も気持ちよさそうだね。」
あ、シュウがきた。
鈴は己で動くことができない。
だから、口を使うのも後ろと同じ様に扱われる。
やる前は本当に道具みたいで嫌だと思っていたが、してみるとそれが最高に気持ちよかった。
喉の奥まで突かれて、苦しい。涙も鼻水も出てくる。
けれど、その惨めさがΩとしての被虐的な感情を引き出し、快楽になって行く。
「ぅ……ぐ………ぅー…ぅ、ぉ、」
前からも後ろからもぐちゅぐちゅと音がする。
今日はどれくらいするんだろう。
最後は2人が全身を舐めてくれる。
その瞬間が愛おしい。
愛されていることを実感できるのだから。
___番契約___
それが途切れたふたりは可笑しくなった。
狂ったのだ。
鈴は身体を自由に動かすことが出来なくなり、正常な判断が出来ない。
秀も同じく。
αは番契約が途切れても可笑しくなることはないのだが、人間の精神の面で狂った。
慎は強すぎたのだ。
αとしても。家柄としても。
そして、鈴への愛情も。
それらが秀を壊す。
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