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第4話
これは、夢か?そうだ、きっとそう。
だって、秀彦オレの事もう好きじゃないもん、ここにいるわけない。
そう、秀彦はもう…
「ひっ、でひこは、オレの事…もう、好きじゃねえの?」
目の前にいる秀彦が、すごくイヤそうな顔をしてる。そりゃそうか、今さら聞くなって思ってるんだろうな。
けど…
「オレは、秀彦のこと…すっげえ大好きなのに…っ!」
ああ、女々しい奴だって、今度こそ嫌われちゃうかも。でもいいや、夢なんだし。
そんな事を夢現つのままに雄介が言葉にした途端、秀彦の顔つきが変わった。
「ああもうっ、だからイヤなんだよっ!」
「ふぇっ?ん…ッ」
火照った頬をぐっと押さえ込み、半ば強引に重ねられた唇の隙間から、意志を持ったかのように舌が入り込む。咄嗟に奥へ逃げようとする雄介のそれを追い掛けて、絡み付く。
合わせた掌に力が込められて、互いの指が絡み合った時、ゆっくりと唇が離された。
「はっ、ぁ…ひでひ、こ?」
「……おれ、毎日すんごい我慢してるわけ」
「ん…」
再び触れ合った唇を、愛しそうに食んでいく秀彦。しっとりと濡れた髪を梳きながら、その耳元で囁いた。
「お前の事好き過ぎて、もう限界」
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