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第18話
こうしていれば、表情で省吾が何を考えているのかが分かるだろう。
「お前、こんなこと恩師にさせてたんだ?」
「関係……ない……だろッ……ッ……んぅ……」
ダメだ、拒絶できない。
突き上げられる度に気持ちがよくなって、ただでさえ思考に霧がかかった状態なのに、益々それが酷くなっていく。
峰島によって開拓されていた省吾の身体は、今度は楓によって開拓されてしまうのだろうか。
「あ、あぁッ……や、やめ……」
イヤだ、あの人のことを忘れたくない。
峰島が残した痕を、楓に上書きされてしまったら、もう省吾は峰島を想い続けることができなくなってしまう。
「なんでやめろって言うんだ?お前、腰振ってんぞ」
「っるせ……やめて……くれ……ください……ひぁッ……」
説得力のない言葉の羅列。
なんて空疎に響くのだろうと、楓は腰を前後に動かしながらそう思った。
口で否定的なことを言っていても、身体の方は正直で、楓のペニスを内側でぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
「敬語使ってもムダ。男同士でもデキるもんなんだな?」
「だから、やめろって……あぁッ……」
「峰島がお前の身体に残した痕跡は、俺が上書きしといてやる。言っとくが、これが最後だと思うなよ」
「な、んで……?」
どうして楓は執拗に省吾に纏わり付こうとするのだろう。
今日は特にそうだ。
夕方店の前で待ち伏せしていたり、キスをしてもキスを返してきたり、峰島の写真についてあれこれ聞いてきたり。
挙句に彼の家でのセックスなど、誰が想像しただろう。
「なんでかな……?俺、お前のこと、好きみたいなんだわ」
「え……?」
「ま、俺は元々ノーマルで女しか相手にしてこなかったけど、お前限定ならゲイもいいかもな」
「好き……?俺を……?アンタが……?う、くぅッ……」
最奥を穿たれてビクリと身体が揺れる。
枕に顔を押し付け、尻だけを楓の方に突き出す格好に戻された省吾は、もう抵抗するのを諦めた。
高熱を発しているであろう自分が暴れたところで、力でねじ伏せられることなど目に見えている。
「どうなんだよ?気持ちイイのか?」
「ッ……ッ……」
「ま、言えねーか……これでもさ、一応罪悪感はあるってことだけは言っとく」
「は……?」
聞き間違いだろうか、今「罪悪感がある」と聞こえたような気がする。
ならばなぜこんなことをするのだろう。
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