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第34話

ついさっきまで硬かった一物は萎えたが、前立腺への刺激は終わっていない。 「あ、だ、だめって……ッ……」 「そんなにイイのか、ここ?」 「試して……みるか……?」 省吾がヤケクソ気味に言うと、楓はふっと笑った。 会社の女子達に騒がれるだけあって、美しくて爽やかで、それでいて艶めかしい笑みだ。 「いや、遠慮しとく」 「……ま、そうだよな」 「ん?」 「アンタが組み敷かれてるのって、想像できない」 そういうものだろうかと楓は数瞬考えるが、確かにピンとこなかった。 省吾になら突っ込まれてもいいと思うが、なんだかそれは2人のあるべき形ではないように思ったのだ。 「リング……気に入ってもらえてよかった……」 省吾が楓の左手のリングに触れると、理性が崩壊する音が聞こえた気がした。 「お前……煽るじゃねーかよ?」 もう少し後孔を解してから挿入しようと思っていたのに、どうにも持ち堪えられそうにない。 だが無理にこじ開けて挿れてしまったら、痛い思いをするのは省吾の方だと分かりきっている。 楓は自分の一物に自分の手で触れると、それを上下に扱き始めるが、そうしているうちに省吾に手首を掴まれた。 「もう大丈夫だから、挿れろよ」 「けど……」 「アンタの形、ちゃんと覚えてる。大丈夫だ」 省吾はベッドサイドに置いたコンドームを手にすると、それを口に咥えて片手で包装を剥がし、楓の手を避けて彼の性器にゴムを装着してやった。 「なんか……出会ったばっかりのお前って、もしかして別人だったのか?」 「そんなワケないだろ、同一人物だ」 「あんなにつっけんどんだったのが、ゴムまで装着してくれるようになるなんてな」 軽口を叩きながら省吾を押し倒し、両脚の間に割って入ると、彼の太腿を持ち上げて後孔にペニスの先端を押し当てる。 「痛かったら言えよ」 セーフティーセックス。 楓が男同士で繋がるために調べた、ネット情報だ。 ナカ出しはしない、無理な挿入もしない。 追い求めるものは己のみの快楽ではなく、相手の快楽もだとあった。 「ッ……」 省吾は少しだけ息を詰めた。 挿入されることには慣れているが、カリの部分を受け入れるまではいつも少しだけ苦しいからだ。 「あのさ、お前のナカ、スンゲー蠢いてんだけど、どういうこと?」 こんなにぎゅうぎゅう締め付けられるのが初めてなだけに、楓は戸惑う。 「知るか……ッ……楓さんが……巧いんだろ……」 「俺ってば、そっちの才能もあった?」 「っるせ……あぁんッ……、あ……やだッ……!?」

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