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第5話

「ふーん……でもさ、1回は俺とエッチしちゃったんだよ?」 「だから忘れてくれって言ってるだろ、それに酔ってたし……とにかくおかしかったんだよ、色々と」 「嫌だって言ったら?折角、身体の相性よかったのにあの日も朝起きたらいつの間にかいなくなってんだもん。こうしてまた会えたことだし、時々するくらいいいだろ。それに“先生”が出会い系サイト利用してたってバラされたくないだろ?」 「お、お前…なんでそれを」 「自分から暴露してたの覚えてないのかよ」 まさかそんなことを…… 酔ってたからか所々記憶が曖昧で、そんなことまで暴露してしまったなんて正直覚えてない。 「酔ってて記憶が……」 「なんだよ、じゃあ俺に突っ込まれてよがってたのも覚えてないってこと?」 「お、おいっ……!」 行為中のことも断片的にしか記憶がない。 けど、その辺りはぼんやりと覚えている。 「それは何となく…覚えて…る」 「じゃああれは?」 「あれ?」 「あ、いや……なんでもない。とにかく、ケイちゃんの身体気に入ったからまたシようよ」 「あのな、バレたらお前だって進学とかヤバいだろ。俺にもう関わるなよ」 万が一バレたら、お互いただじゃ済まない。 大学進学にだって白紙になる可能性もある。 なのにこいつは、 「別にバレでもいい、俺大学とかそんな興味ないし」 「は?何言ってんだよ」 そして、これ以上何かを言うのを阻止するかのように俺の口を塞ぐと激しく口付けられた。 「……んッ……やめッ」 そのまま近くの教壇に押し倒され、身体を抑え込まれた俺と視線を合わせると、 「……だから、ケイちゃんに拒否権はないって」 今度は真顔でそう告げられた。 黒い闇が広がっていくように、その声は俺の身体中へと染み渡り何かに支配されるような感覚に陥る。 「おまッ……」 口を開こうとすればその口は塞がれ、荒い息と共に舌を絡ませてくる。 そして言い聞かせるように下唇をキツく噛んで首筋へとそれは移動していった。 ざらつく舌先で首筋をなぞり、耳元へと辿り着く頃、再び低くどす黒い声で俺に囁いた…… 「だから、卒業まで遊ぼうよ…バレないようにさ……」 それは悪魔の囁きのように聞こえた────

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