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第125話
シャワーから熱めのお湯を出して永絆はため息を吐いた。
「こんな事しなくても……逃げないのに……」
帰ろうと説得するつもりではいたが逃げるつもりはなかった。
きちんと藍と話し合った上でお別れをしようと思っていたのに。
「オレが藍をここまで追い詰めたのか……」
二人でずっと一緒にいようと言った藍の哀しそうな目を思い出す。
この部屋に閉じ込めておけば藍は安心するのだろうか。何処にも行かないで藍だけと会話をして、藍がいないと生きていけない生活をここでしていれば藍は満たされるのだろうか。
「これじゃあ、飼われてるのと同じだな……」
それが嫌で別れを決めたのに、その結果がこれだ。
少し頭が冷えたら考え直して解放してくれたらいいのだけれど……。
着ていたシャツを脱ぎ、熱いシャワーを浴びた。軋んで痛んでいた体が少し楽になった気がした。
体を洗い終えて真新しいバスタオルで拭き、シャツを着直してベッドに戻る。歩く度にジャラジャラと音が鳴る鎖を見ると藍の執着具合がどれほど強いのかが良く分かる。
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