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第131話
「もうこれしか方法がないんだ。誰にも永絆を渡さない。誰にも邪魔させない。永絆はオレの番だ」
ああ、もうこれはダメだと永絆は目を閉じた。
藍に何を言っても考えを変えたりはしないだろう。番になるか、その前に見つかるか、どちらかにならない限り誰も藍を止められない。
抵抗しても、泣き喚いても、藍は番になるまで離してはくれない。
きっとやり方を間違えたのだ。藤に頼んで番になると嘘をついたのがダメだった。あの嘘が藍を追い詰めた。
「ずっと、オレの事ばかり考えてたから、疲れたんじゃない?」
永絆の横に寝そべった藍の頬に触れると、嬉しそうに擦り寄ってくる。
自分だけが辛いと思っていた。藍には約束された未来があるからすぐに番の事など忘れてしまうだろうと。
だけど本当に辛い思いをしていたのは藍だ。
古い体制の家に縛られたまま、魂で惹かれ合う番をどうにか幸せにしたいと悩み、板挟みにあって苦しんでいた。
何とかしようとしていたのに、大切な番は一人で勝手に別れを決めて新しい番を見つけてきたのだから精神的に参ってしまってもおかしくない。
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