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第132話

「永絆がここにいるから、疲れなんて飛んでった」 「そっか、なら良かった」  優しくしたい。優しくありたい。この世でたった一人の運命の人。  いつも何よりも自分の事を優先してきてくれた。番にはなれないと言ったあとでも諦めようとはしなかった。ずっと思ってくれていた。  藤の言う通り、行ける所までとことん行ってみたい。今なら素直に番になりたいと藍に告げる事が出来る。何もいらないから藍だけが欲しいと。 「大好きだよ、藍。そばにいてね」 「ずっといるよ」  間違いかもしれない。現実逃避をしているだけなのかもしれない。  それでも良かった。この閉鎖された空間で藍と共に行ける所まで行ってしまおう。  この後、見つかってしまっても悔いがないように全身全霊で藍を愛していると伝えて、何度も抱かれ、項を噛んで貰う。それだけが全て。  発情期が上手く来たら良いのに。そして番が成立したら、もう何の悔いもない。  その後、引き離されて番を解消されても構わない。とことん彼を愛して愛し尽くしたい。  あとはもう、何もいらない。

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