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第154話
抑えていた感情が、爆発してどうにかなりそうなくらい項が熱く燃えるようだった。
暫く忘れていた発情期の熱が感情と共に戻って、永絆の身体を支配しようとしていた。
「花の……匂いがする……」
永絆の首に鼻を近付けて匂いを嗅ぐ藍。その藍からもクラクラする匂いがしていた。
「なんで、かなぁ……」
「何が……?」
首筋にキスを落とされてピクリと身体が反応する。
「発情期……今頃まともな発情期が来るなんて……」
はあ、と熱い吐息を出すだけで身体の体温はどんどん上昇する。今にも花の匂いに包まれておかしくなりそうだ。
「きっと……やっと、通じ合えたから……安心したの、かな……」
クラクラ、クラクラと目が回る。
ふわりと優しく口唇を重ね合って吐息を混じり合わせると、ゆっくりと身体を倒され大きな手で髪を撫でられる。
甘く溶けていきそうな感触に擦り寄って酔いしれる。
「藍……」
顔のあちこちに小さなキスが幾つも降ってくる。
発情したΩのフェロモンがどんどん濃くなって部屋中を満たしていくのに、何故かお互いの理性はギリギリで保たれ、藍が口唇で触れていく箇所全てに敏感に反応していた。
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