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第156話
混ざり合い、溶け合い、一つになる心と身体。
もう何も諦めないと決めた。藍と共に居るために、自ら身を引く事をやめると決意した。どんな困難が待ち受けていようとも構わない。藍がいればいくらでも乗り越えられる。強くなれる。
「もう何処にも行かない」
藍のそばにずっといると告げると、藍は嬉しそうに微笑み愛しさの溢れるキスをくれた。
その日はひたすら発情期に身を任せてお互いの身体を貪りあった。力尽きて眠りに落ちるまでずっと繋がり続けた。
身体も布団も何もかもがベトベトのまま、手を繋ぎ指を絡ませて眠りについた。
夢の中でも手を繋いで抱き合って眠っていた。それはとても幸福な夢だった。
***
あの日からずっと二人で細々と暮らしている。
お互いに貯金は使い切れない程持ってはいたが、贅沢な暮らしはせずに二人では少し手狭な部屋で寄り添うように過ごす毎日。特別な物は何も無かった。雪の降る窓の外を眺めながら身を寄せ合っていられる事に深い歓びを感じていた。
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