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第159話

 一緒に付いていくという藍に、休みなんだからゆっくりしていろと少し強めに言った。心配してくれるのは嬉しいし有り難いが、働いて疲れている藍にもちゃんと身体を休ませてほしかった。  それに、永絆には何となくこれが何なのか心当たりがあった。だから向かった病院は内科ではなくΩ専門の医者がいる病院だった。  この寒い土地で共に暮らし始めて三ヶ月。発情期は毎回きちんとやって来て、その度に藍は永絆を深く激しく、そして労るように抱いた。  発情期以外でも寒い夜は肌と肌を重ねて温めあった。  番になってこの地で一緒に暮らしてから、数えきれない交わりをしてきた。  番になると通常の発情期よりも妊娠の確率が上がると言われている。そして当然それは永絆にも当てはまっていた。 「藍……あのね、風邪じゃなかったんだ」  今から話すことを聞いて藍はどんな反応をするだろう。  喜んでくれるだろうか。それとも驚いてパニックになるだろうか。いらないと言われたらどうしよう。藍に限ってそんな事はないと信じてはいるけれど、万が一そう言われたら一人ででも何とかしようと決めていた。  でも出来れば、この身に宿った小さな生命の事を、魂の番である彼が喜んでくれますように。  そう祈りながら永絆は藍にその事実を告げた。

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