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第192話

 別にそれでも何の問題もなかった。発情中の理性の飛ぶ様な行為まではいかないものの、藍は発情期など関係なく永絆を求めるし、永絆もそれを受け入れていた。まるでβ同士の様な営みは互いの感情を強く確認出来て満足していた。  一つ問題をあげるとしたら、発情期がなくても子供を作れるかどうかだった。生殖機能には何ら問題がないと中根には言われていたが、発情期のΩの妊娠確率の高さは常識だ。もしもう一人欲しくなった時に出来なかったらどうしようと悩んだ。  今はまだお互い未熟ですぐに二人目を考えてはいないが、将来的には欲しいと思っている。その時の為にも発情期がきちんと同じ周期で来るようになってほしい。 「永絆? 何か不安なのか?」  ベッドサイドに腰を掛けてシーツ越しに撫でられる。心配している藍とは対照的にたったそれだけで身体が熱く火照った永絆は自分が酷く厭らしく思えた。 「発情期が来るのは普通の事なんだから、むしろ今までが異常だったんだ」 「でも……藍に迷惑が……」  番になるとフェロモンはその相手だけしか感じなくなる。だからきっと今も藍は理性を飛ばさないように堪えているはず。番っているのだから発情期に多少乱暴な行為をされても合意しているのと同じなのに。

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