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第196話

「はっ、あっ……」  舌先で蜜を舐めとると口内に甘美な味が広がった。あまりにも美味しくて、どんどんと溢れてくる蜜を夢中で舐めて吸い取ると、その窄みの中にまで舌を入れて舐め尽くした。 「やあっ……藍っ、だめ……そんなっ……んっ、はっあっ……」  ずっと待ち望んでいた、永絆が快楽で乱れる姿を見る事を。気持ちよくなる事だけしか考えられなくなる事を。  番になっても尚、藍に遠慮しがちな永絆の殻を破る事を。  やっとその殻にヒビが入った。発情期というものの力を借りてだけれど、一度その快楽を知れば何度でもそれを欲して殻を自ら取っ払うだろう。  これでやっと、身も心も通じ合った本当の番になれる。 「永絆……永絆、好きだ」  散々舐め尽くしたそこは柔らかく湿り、屹立した藍の熱を宛てがうとヒクヒクと蠢いて取り込もうとしていた。 「永絆が大好きだ、本当に……心から、ずっと、初めて出逢ったあの日から……」  手を伸ばして永絆の頬に触れた。  紅潮した頬を藍の手に擦り寄せながら、永絆は腕を藍の背中に回す。  ゆっくりと、熱の塊が濡れ窄む秘部を押し広げ入っていく。息を吐いては吸い、奥へと導くように力を抜いて受け入れる。 「永絆……永絆……」  何度も囁かれる名前に耳から犯されている気分になる。  自分の名前がこの世界で一番特別な名前になったような錯覚をさせてくれる低くて甘い声にうっとりとしていく。

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