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第199話

「藍っ……あいっ……すき、すき、だよ……あっ、愛してるよ……」  それは自然と出てきた。何度も言おうとして快楽に負けた言葉。抗う事をやめて快楽に浸り、藍だけを感じて委ねた瞬間に零れ落ちた。  その言葉に藍の律動は激しさを増し、深く舌を絡め合いながらのキスをしながら最奥を抉り、永絆がもう何度目かわからない昇天を迎えると同時に藍の熱も勢いよく爆ぜた。  腹の奥に熱いモノが溢れているのを感じる。脈打つ藍の形に自分の中がピッタリと合っている。一つに繋がる為にお互いの形が成されているのだと。 「……永絆、大丈夫?」  ゆっくり腰を引こうとする藍を自らの足を巻き付けて拒んだ。 「永絆……?」  引くことも抜くことも出来ずにまだ中にいる藍の形をじっくりと感じていた。まだ離れたくない。まだ繋がったままでいたいと、思うより先に身体が動く。 「もう少し、このままでいて……」  何度も果てて身体中ベトベトで早くシャワーを浴びたいだろうけれど、まだあと少しだけ藍を感じていたい。  発情期がこれで治まった訳ではなく、ある程度出したお陰で少し楽になったけれどまた直ぐに身体は疼き始めるだろう。  中根からは昼間のうちに抑制剤を貰っていたが、元々発情期が安定していない永絆に対して「飲まないで平気そうなら今回は抑制剤なしで様子を見て」と中根は言った。永絆も発情期の周期を正したかったので飲まないで我慢していた。紫ノ宮の屋敷には部屋は余る程あるから、一週間別の部屋で過ごす事も可能だしフェロモンは藍にしか効果がないから他の誰かを誘惑する心配もない。

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