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第6話
前にテレビで運命の番に出逢うとそれまで効いていた抑制剤が効きにくくなるという研究結果が出たと言っていたからその所為なのだろう。
そんな状態でも何とか発情期という自分の体質と折り合いをつけながら大学まで進学出来た。Ω性が大学進学をするには沢山の制約がある。一定の学力と発情期のコントロールがきちんと出来ている事。もし、何か問題が起きた時は速やかに退学し、大学側に責任を問わない事。
他にも細かい制約が沢山あり、その全てに同意しないと受験資格は得られない。
永絆はそれを全てクリアしてやっと大学に進学した。だから抑制剤が効かなくなってきている事を周りにバレたくなかった。
疼く身体と薬の副作用で頭が霞みがかって段々何も考えられなくなってきた。
やっと念願の再会を果たしたのに藍と交わした言葉はほんの少しだけ。この部屋に連れて来られてからは顔もまともに見ていない。
こんな筈じゃなかった。再会したら、色んな問題があっても二人で解決していくのだと思っていた。
藍は初めて逢った時に、これは二人の問題だと言っていた。だから再会出来たら一緒に居られる方法を二人で探していくつもりでいた。
だけど今、この部屋に一人残されて動けないでいる。
一人で勝手に番になる事を考えて浮かれていた。けれど彼はそう考えてはいなかったのだ。
再会する迄の間に考えが変わったのかもしれない。
そうだとしても責めることは出来ない。藍はαの家系で育った生粋のαだ。Ωと番うなんて普通なら考えたりしない。それが例え運命の相手だったとしても。
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