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Always With You:恋って何だろう?②

***  年下の俺の幼馴染は、少しだけ特殊な人間だ――  はじめて逢ったのは、俺が小学校低学年のとき。父親が西園寺家で執事として働き始めたのが、出逢ったきっかけだった。  西園寺くんはその頃、まだ幼稚園に通っている年頃で、初対面したときは、母親の後ろに隠れて、なかなか姿を見せてもらえなかったのが、印象に残ってる。  だが、それが一変したのが西園寺くんが、附属小学校に入学して、しばらくしてから。  公立の小学校から帰った俺に、父親が血相を変えて駆け寄ってきて、 「圭ぼっちゃまが、まだ学校から帰ってないのだが、見かけなかったか?」  それはもう、血の気が引いた顔色で訊ねられたんだ。俺がいなくなったら、こんな風に捜してくれるんだろうかと、一瞬考えてしまうくらい。  大人たちに混じって、俺も捜すことにしたけれど、行き先がさっぱり分らなかった。一緒に遊ぶ機会なんて、数えるくらいだったし―― 「確か、かくれんぼした時に言ってたよな。暗くて狭いところがスキって」    堂々と附属小学校の門をくぐり、暗くて狭そうなところを、片っ端から捜し歩いた。そして見つけたんだ、ウサギ小屋の中で、膝を抱えて俯いてる西園寺くんを。  俺は黙ってウサギ小屋に入り、隣に腰掛けて思い切って話しかけてみた。 「西園寺くん、こんなところで何をしてるの? みんなが心配してるよ」 「……今日、クラスにいるヤツに言われたんだ。お前、高台にあるオバケ屋敷に住んでるんだって? ってさ。だから言ってやったんだ。それがどうした、オバケと友達だぞって」 「そんな……オバケなんていないのに」 「そしたらさ、みんなビビって逃げてやんの。怖がりだよなー、本当に」  西園寺くん、もしかして―― 「友達作ろうとして、話に失敗しちゃった、とか?」 「はっ、何を言ってるんだ喜多川。僕は失敗なんてしないし。怖がりの友達なんて、必要ないもん」  言い放った言葉とは正反対の、寂しげな瞳がすべてを物語っていた。 「俺は西園寺くんの友達だから、安心してよ」 「何を安心すればいいんだよ、意味分からないし」 「あはは、そうだね。でもずっと傍にいてあげるから。友達だから、俺のいうことを少しだけ聞いてもらえるかな?」  そこから西園寺くんに、条件付の交渉が始まったんだ。彼の変わった性格を直しつつ、サポートしてあげて。

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