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Always With You:真実の恋⑦
***
喜多川の部屋で、大胆に押し倒されて以降、何度かそういう機会に恵まれたのだが――服を脱がされている最中に、途中で邪魔が入ったりといろいろあった。
そんな中、お互いやっと全裸になり、本格的にはじめた一度目は、僕を弄っている最中、喜多川が唐突に発射してしまい(一体、何を考えていたのやら)ずーんと落ち込んだため、その日は終了。
二度目の現在、何とか挿入まではこぎつけたんだけど……
「うっ…む、無理っ! 辛い……」
涙目で訴える僕を気遣い、あえなく終わってしまったんだ。
「大丈夫? 西園寺くん」
悶々としているだろうに僕を宥めるべく、頭を優しく撫でてくれる喜多川に、申し訳なくって頭を下げた。
「ゴメンね、喜多川。お詫びに僕がしてあげるから」
「そそ、そんなのしなくていいって! それよりも西園寺くんの大事なトコ、大丈夫かなって」
落ち込む僕とあたふたする喜多川。全然噛み合わないセリフなのに、ケンカに発展しないのは、互いを思い遣っているからだろうな。
「僕は大丈夫、だからさ。ホントにゴメン。根性なくって」
「何言ってんだよ、根性ないのは俺のほうなのに……前回したとき、西園寺くんの肌にちょっとだけ擦れただけで、イッてしまって。さっきも少しだけど中に挿れた瞬間、感極まっちゃった」
嬉しそうに告げると僕の身体を抱き寄せ、ベッドの中でぎゅっとしてくれた。
「だから圭、無理しないで、ゆっくりしていこうよ。手を繋いで、歩いていくみたいに」
「喜多川……」
「そりゃ圭の全部が欲しいのは、確かだけど。それだけじゃなく、いろんな顔が見たいし、それなりに経験していったらその内、余裕が出るんじゃないかな。お互いにさ」
ふわりと、こめかみにキスを落とす。
「余裕が出たら、どうなるんだろう?」
(そんなのまだまだ、先の話なんだろうな――)
疑問に思ったので、ぽろっと口にしてみたら。
「きっと圭に溺れて、手放せない状態になってるかもよ。隙があれば、こうやって抱きしめているかもしれないね」
熱のこもった喜多川の瞳が、僕を捉えた。迷うことなく首に腕を絡ませて、顔を引き寄せてやる。
「……今から溺れてほしい。ワケが分らなくなるくらい、夢中にさせて」
「圭?」
「ドロドロに溺れてしまったら、きっと……苦痛も分らなくなると思うんだ。僕は……春臣とひとつになりたい」
喜多川の目をじっと見つめ、気持ちを伝えてみた。焦らないで、ゆっくりしていこうっていうのも、何となく分かるけど。肌を重ねた数だけ、もっと距離を縮めたいと思ったんだ。それに今夜は――
「喜多川の卒業祝いと、大学進学のお祝いしてるんだから。僕をプレゼントしたい」
喜多川の進学を祝うべく、父親がパーティを開いて両家の家族みんな勢ぞろいし、お祝いしている最中で。
お祝いをいいことに、呑んだくれる大人を横目に僕らは今こうして、大胆にも行為におよんでいた。
「圭を溺れさせて、苦痛を分からなくする……」
目の前にある喜多川の顔が、何かを考えている様子なので、キスすることも出来ず、息を飲んで見守っていると。
やがて――
「ドロドロに溺れさせてあげるね、よいしょっと」
闇夜を明るく照らしそうな微笑みを一瞬だけ残し、いそいそと布団の中に入って、そして……
「わっ!? ちょっ、おまっ、何やって////」
「俺の口で気持ちよくなって。溺れてほしい」
「ぅあぁっ……やっ、ダメだ…って、ば」
ダメと言いながらも、あまりの気持ちよさに腰を浮かして、自分で動いてしまった。
それだけじゃなく――僕の芯を責めながらも、後ろに指を突っ込み、解すように動かしてくれて。
「んん…はぁはぁ、あっ…何か、へ…んだ――」
気持ちイイのにもどかしい感じが、何ともいえず、ゾクゾクさせられた。
やがて喜多川が後ろからぎゅっと抱きしめて来て、僕の中にゆっくりと侵入していく。
どうして、後ろからって?
あとから聞いたら苦しそうな僕の顔を、間近で見たくなかったからと言っていたけど、獣じみたコレに、否応なしに反応したのは、自分だけじゃなかったハズだと言いたい////
「大丈夫、圭?」
背中に感じる喜多川の熱が、妙に心地いい――
「だい、じょぶ……僕のことはいいから、気持ちよくなるように、早く動きなよ」
さっきから、気持ちイイことばかりされている身なので、自分ばかりは辛い。
「でも……」
「躊躇するなよ、ほら、これっ!」
かなり恥ずかしかったけど、喜多川の片手を掴み、下半身に触れさせた。
「あ?」
「……さっきイカされたばかりなのに、何故か勃っちゃって////」
「じゃあ今度は、一緒にイこうか」
耳元で笑った喜多川の吐息がかかり、くすぐったくて身をよじったら、逃げないように、片手で身体を抱きしめ、もう片方の手は僕の芯を握りしめる。
「圭の中、すっごくあったかくて、どうにかなりそうなんだ……すぐにでも、イっちゃいそうだから、まずは先に圭を気持ちよくして、タイミングを合わせてもいいかな?」
「っ……ぅ、うん。いいよ。春臣の手も、すご…くっ、気持ちイイ……」
そして僕らはひとつに溶け合い、混ざり合うように一緒にイったのだった――
はじめてだから失敗もいっぱいあったけど、それすら今は、いい思い出になってる。
喜多川で満たされたこの夜を、僕は絶対に忘れない。
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