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飼ってもいい?

「んん…ん〜…」 「…あ、アル、起きたかい?」 「…ん」 俺を抱き込むような体制で眠っていたアルがもぞっと動いて目を覚ました。星野さんに返事をしながらもまだ眠気があるらしく目をこすってはふらふらと頭を揺らしていた。 ……これが…今の銀なんだ… ついさっきあんな話を聞いたばかりでどんな顔をしたらいいのかわからなくて困惑する。アルはうっすら目を開いて困惑している俺の顔を見るとそのまま眠そうな視線を星野さんへ動かしてまたくあっとあくびをした。 「…んん…で…この人オレのなんだったの…」 「…え?…あ、あぁ…彼は杉田さんって言って、その…君の高校時代の同級生で……つ、付き合ってらした…みたいだよ…」 「………」 星野さんはちらっと俺を見ながらそう言った。 初対面の人に気を使わせてしまって申し訳ない気分になる。俺と付き合ってたと聞いたアルの反応が気になった。アルはそれを聞くと未だに腕の中に抱き込んでる俺に視線を移した。 「………」 「………」 じーっと俺の顔を銀の茶色い目で凝視したり何故かすんすんと俺の頭の匂いをかぐ。 「…ふーん、そっか…」 「ッヒ!!っな…!!」 「アルっ!!」 アルは一通り俺を観察するとなんだか興味のなさそうな返事をしてから突然俺のうなじを舐めてきた。突然のことに驚いて手でうなじを覆って振り向く。星野さんもあぁぁ…と慌てていた。なのに当の本人は驚いた俺の顔を見て満足げだった。 そして突拍子もない行動に出た。 「っえ!?っわ!!っちょ…!!」 「あ、アルっ!!」 急に俺の脇の下に手を入れ座ったままよいしょっと持ち直される。アルの方が背が高いせいで肩だけ持ち上がって首をすくめるような変な体制になってしまった。アルはそのまま俺を星野さんに見せるようにする。 「ねぇ星野さん…この人飼ってもいい…?」 「へ?」 「は?」 俺と星野さんの間抜けな声が同時に部屋に響いた。

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