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評判

「それでは少々こちらでお待ちください、今星野が来ると思うので。」 「あ、はい、ありがとうございます山田さん」 「お気になさらないでください、仕事ですから。」 そう言って頭を下げて山田さんが出て行く。 大人の男の人って感じで山田さん素敵だよなぁ…優しいし… 今俺はアルと二人で小会議室みたいなところに連れてこられていた。磨りガラスで仕切られた明るくて開放感のある個室で、部屋の中にはホワイトボードと木でできた大きなテーブルが置かれていた。アルは俺の隣に座ってぐでぇっと上半身をテーブルに乗せるようにしていた。眉間にしわを寄せてうーんと唸っている。 体辛いのかな… 腰と腹を痛めている俺がそうした張本人の体調を気にするのはなんだか違うような感じもするけど、さっき睡眠薬の話を聞いたこともあって気になった。 ………記憶と一緒に…体調も良くなってくれるといいな… そんな気持ちでアルを眺めているとぱたぱたと誰かが廊下を走ってくる音がして、磨りガラスに映るシルエットでそれが星野さんだとわかった。 「アル、杉田さんおはようございます。すいませんお待たせしてしまって…今日本当は事務所の案内なんかをしようと思っていたんですが急遽忙しくなりまして…」 「いいんです、お疲れ様です。」 星野さんは昨日呼び出されたときからずっと忙しかったのか目の下にクマもできていたけれどなんだか楽しそうだった。『アルのお陰だよ』と嬉しそうにしている。 「あれ?アル今日はなんか顔色がいいね、よく眠れたの?」 「ん、まぁね…」 「そっか、それはよかった」 やはり少しの間ではあるけれどアルと一緒に過ごして苦労してきたからなのか星野さんはアルの変化に気づいたみたいだった。アル自身眠れたと思っているみたいで、それを聞いて俺も嬉しくなる。星野さんは持ってきていたタブレットをいじってなにかの資料を出すと俺とアルの向かいの席に着いた。 「さて…社長から聞いたと思うんですがアルのATEの広告が昨日公開されて、大変注目を浴びています。アルはいまが売り出し時です!!」 「は、はい!!」 そう語る星野さんの目はメラメラと燃えていた。

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