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評判の結果
「こちらを見てください。SNSなどから調べた結果によるとアルは10代後半から20代前半と比較的若めの層に人気があるようです。」
「……は、はい…」
「ATEの広告自体がテレビを媒体としたものではなく、雑誌やネットページなこと、そしてATE自体が若者向けのコスメブランドということもあって年齢が高めの方々の目には止まりにくいのかもしれません。ですが、そもそも我々が狙っていた層は10〜20代ですので十分に成功したと言えます。」
「………」
星野さんはタブレットを巧みに操りながらそう説明してくれた。SNSでのコメントの一覧、ATEのネット広告、アルのプロデュース資料と画面が次々に切り替わる。
そ、そうか…これからはこうやってアルを売り出す仕事をするんだもんな…どんな仕事が向いてるかとか、どんなことしたらウケるかとか考えるお仕事なんだ…
今まで自分がしてきた仕事と勝手が違うから面食らってしまったけど、これからの俺の仕事はこれなんだ…
一通り社長室でされたような今回のアルの仕事への反響を伝えられると、今度は星野さんに文字ばかりの画面を見せられた。『アルも見てみてね』と星野さんに声をかけられてアルが机に顎を乗せたままタブレットを見る。そこには何やら沢山の企業名が書かれていた。
………?…なんだ…?
「現時点でアルに来ている仕事のオファーです。主にファッション誌のモデルがほとんどですね。」
「!!」
「アルのルックスの良さに目をつけてくださった方が沢山いたってことですね!!少し無理してでもアルの初仕事をATEの広告にしてよかった…!!」
うすうす感づいてはいたけれど、ネットと雑誌広告とは言え初仕事があんな有名ブランドの広告というのは異例のことらしい…後からATEの社長とうちの社長…椿さんは仲がいいことを知った。どうやら社長によるコネの力が大いに働いた仕事だったらしい。
アルはその間もぼんやりしてタブレット画面を見ていた。
「それでアル…次の仕事はファッション誌のモデルになりそうなんだけど…何か載りたい雑誌なんて…」
「ない」
「…だよね」
「はは…」
というか知らないんだろうな…
星野さんと苦笑いしながら顔を見合わせる。
「じゃあ僕と杉田さんで選んでしまってもいいかな?」
「ん…」
そう言って頷くとアルは長い腕に顔を埋めて寝に入ってしまった。
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