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内緒話
その場に俺と星野さんはいなかったけれど後から聞いた話なんかから当時の状況を想像してみる。
『先ほど撮影中も食べてらっしゃいましたが、お菓子お好きなんですか?』
あの日記者として来ていたメガネで顎髭を生やした体育会系風な男の人がアルにそう尋ねたらしい。これは俺も星野さんももちろんだけど答え方を教えてない質問だったからアルは素直に
『うん、天使パイが一番好き。』
と答えたらしい。多分記者の人もアルが事務所に教えられた回答してるなーと思ったんだと思う。お菓子の話に思いの外食いつきを見せたのでそこからアルらしい回答を引き出そうと記者魂に火がついたみたいだった。
『天使パイか、美味しいよね。僕も好きだよ。』
『ほんと?あれメロン味あるんだって…食べたいけど北海道限定なの。』
『そうなんだ?いつかお仕事とかで行く機会があったらいいね。』
こんな風にお菓子の話題で一気にフレンドリーな感じなったらしい。その後もお菓子の話題が続いて…
『お菓子よく食べるの?』
『うん、いっぱい食べる。でも最近は杉田さんが撮影があるからあんまり食べたらダメだよって言ってたくさんは食べれなかった。夜とかこっそり食べようとしたら怒られた。』
『杉田さんっていうのは…マネージャーさんだね?夜?ってことは一緒に住んでるのかな?』
『あ、それ言っちゃいけないって言われたやつだった………内緒だよ、怒られる…』
『ははっ、怒られるんだ?マネージャーさんに…かな?言っちゃダメだよって言われたこととかがあるんだね。』
『うん、どっちかっていうと星野さんにね、怒られる。星野さんすぐ椿に告げ口するし…』
『他にはどんなこと言ったらいけないって言われてるの?』
『えー、えっとねぇー内緒だよ…』
とまぁこんな感じでアルは自由にインタビューに受け答えして結局インタビューのほとんどはそのアルが自由に答えた内容になっていた。後日内容が明らかになってからアルは星野さんにこっぴどく怒られていたけどその間も唇を尖らせて『ナイショって言ったのに…』とブツクサ言っていた。
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