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食後
「じゃあ、今日は楽しかったよ。付き合ってくれてありがとう。」
「そ、そんな…結局ご馳走までしてもらっちゃって…」
「オレがそうしたかっただけだし気にしないで?次はさアルくんさえ良ければ3人で来ようよ。」
「は、はい!!是非」
翔さんとの食事が終わってお店を出るともう人もまばらになり始めていて結構な時間話してしまっていたことに気づいた。
なんか…楽しくていっぱい話してしまった…変なこと言ってないよな…
なんだか空気に飲まれていらないことまで話した気がしないでもない…食事は結局翔さんがご馳走してくれてなんだか申し訳なかった。
翔さんと並んで歩く。そのうち駅が見えてきて、電光掲示板にオレの乗りたい方面の列車がもうすぐ来ることが示されていた。少し慌てて隣にいた翔さんに頭を下げる。
「翔さん!!あのっ、今日は本当にありがとうございました!!俺その…こっちであまり友達とかもいなくて…あんまり意識はしてなかったんですけどちょっと心細く思ってたみたいで……だから翔さんと話せてよかったです。」
「………」
ちょっと照れくさい感じもしたけれど本当に
楽しかったので素直にそう言った。なぜか翔さんにはこんなちょっと照れくさいことも素直に言えた。
「じゃあ…電車来るみたいなんで俺行きますね。本当に今日はありがとうございました。」
「ッ…学…!!」
「…?はい?」
最後にもう一度頭を下げてお礼をして立ち去ろうとすると翔さんに呼びとめられて少し驚いた。でも振り向いてみるとなぜか翔さん自身も驚いたような顔をしていた。手が所在なさげに空中に浮いていて、少しするとその手はすっと下げられた。
「………あ、えと…オレも楽しかったよ…またね…」
「あ…はい…」
失礼しますと言ってそのままそこを離れ、改札を通り抜けた。振り向くと翔さんはまだこっちを見ていて、俺と目が合うと笑って手を振ってくれた。
やっぱり…翔さんと話せてよかったな。
ひさびさにいろんなことを吐き出せて胸の内がすっきりしていた。この時はまた明日から頑張ろうって晴れやかな気持ちでアルの待つ家へ戻ろうとしていた。
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