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わからない

「なんでそんな酷いこと言えるの!?」 今日、杉田さんを怒らせてしまった…… 「だ、だって…なんか楽しくしてたし…杉田さん、好きそうだったし…」 「みんなアルと一緒だって考えないでくれる?楽しくしてるからって…好きだからって…セックスってそんな風に簡単に誰とでもするものじゃない!!」 オレがカレーこぼしちゃったのがダメだったのかもしれない…あとおふろ上がって体拭かなかったの… 一生懸命考えてみるけどどれがダメだったのかよくわからなかった。 あいつとのご飯から帰ってきて…早かったからエッチしなかったの?って聞いてみた。そうしたら杉田さんは怒り始めちゃって…でもオレはそれまでの何がいけなかったのかよくわからなかった。今でもわからない… でも少しすると杉田さんは目を潤ませて、泣きそうな顔でぎゅうっと唇を噛んでから 「……ッ!!………もういい……」 と呟いて寝室に行ってしまった。オレも慌ててあとを追いかける。なんで杉田さんが怒ってるのかはわからなかったけど、杉田さんに怒られるとなんだか苦しくて、すごくやな感じで早く許してもらわなきゃって思った。杉田さんに嫌われたくなかった… 「す、すぎたさん…すぎたさん…」 「………」 「すぎたさん…ごめ…」 「………いい…そんなこと思ってないのに言わなくても…なんで俺がこんなに怒ってるかわかってないんでしょ……」 杉田さんに許してほしくて謝ろうとしたら杉田さんに遮られ、そう言われた。「わかるよ」って言いたかったけど言えなかった… 「杉田さん…ご、ごめんね…すぎたさん…」 「………」 「………す、杉田さん…?」 「…アル、あっちいって…俺がなんで怒ってるのかわかるまで…俺に話しかけないで……」 「………で、でも…で、も…」 それでもなんとかしたくて、いつもの杉田さんに戻って欲しくて声をかけた。でも結局杉田さんがその後何か言ってくれることはなくて…胸のところがきゅうっとなった。杉田さんはそのままオレに背を向けて動かなかった。 「………」 シーンとした部屋に自分の心臓と呼吸の音が響く。どうしたらいいかがわからなくて、とにかく許してもらいたくてその後も杉田さんに声をかけたりしたけれど杉田さんが振り向いてくれることはなかった。 仕方なく自分のベッドに戻って布団を頭から被る。なんだか目の奥が熱くて鼻の奥がジーンとして苦しかった。 ………オレは……わからない…わかんないよ… なんだかまた頭の奥が痛かった。

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