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見えない
「ま、まずは服、脱ぐんだよ…片方だけ着たままなのも変だし…」
「そっか、わかった。」
自分だけ半裸にされたことが恥ずかしかったのと、『ほぐし方』の説明を先延ばしにしたかったこともあってまずアルにそう言ってみた。アルは素直に頷くといそいそと服を脱いで俺と同じ下着だけの状態になった。
………なんていうかあいかわらずモテそうな体型だよな…
思わずアルの裸体をまじまじと見てしまっていたことに気づき慌てて視線をそらす。アルは次は?次は?となんだかワクワクしながら次の指示を待っていた。
「ね、杉田さん、次は?」
「うっ、え、っと…下着、も…ぬ、ぐ…かな…」
「わかった」
そういうとアルは恥ずかしげもなく下着を脱いだ。思わず見てしまうけれどやっぱりでかい…アルは脱ぎ終わると明らかに俺が下着を脱ぐのを待ちはじめた。じーっとこっちを見て俺が脱ぐのを待っている。
「………」
「………」
「………」
アルの無言の圧力が痛い。結局俺もアルの圧力に負けてゆっくりと下を脱いだ。もう顔は真っ赤だと思う。
それにとうとうほぐす段階に来てしまった…
アルは次は?次は?と急かしてくる。もう本当に腹を括るしかない。
「それ、で……次はその…うしろ、をほぐすんだけど…」
そう言った途端アルは目を輝かせ俺の行動を前のめりで見たがった。
………そんなに注目されるとやりにくい…
でも今更後にも引けず、仕方なくローションがわりにアルのベッド横のテーブルにあったハンドクリームを手に取った。
ベッドの端に座りこんで、アルにそこが見えないようにしてそっと触れる。いちおう普段アルとする前に自分でするみたいに解すけど、アルがそこを覗き込もうとするのが恥ずかしくて隠してしまう。でも、しばらく覗き込む、隠す、のやり取りを繰り返しているとアルは不満そうに唇を尖らせて突然俺の足を掴んだ。足に強い力がかかって体が傾く。何が起きたかわからなくなった。
「…えっ…?う、あっ…!!」
「……見えない…」
そしてアルそのまま足を引っ張ると俺の体を引き寄せてでんぐりがえしの途中みたいな体勢にさせた。俺の目の前には自分のものが垂れ下がっていてアルがふーん…なんていいながらそこをまじまじ見ている様子が足の間から見えた。一瞬固まったけれど自分の状況に気付いてぐんぐん顔が熱くなる。慌ててジタバタして体を捻った。
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