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えっちするための
アル自身ここの変わった雰囲気を感じ取っていたのかもしれない、アルは俺を追い詰めて壁ドンすると顔を近づけて訪ねてきた。
「ね、何なのここ?何屋さん?」
「え…えっと…」
「…?なんで隠すの?なんかダメなとこ?」
「………」
ある意味では…
と思ったけれどここでそんなはぐらかし方をしても意味がない…それにべつにアルに教えてあげない意地悪をする意味もない…
…ただ…言うのが恥ずかしいだけで…
でもしかたがない、覚悟を決めて口を開く。
「……こ、ここは…その…ラブホテル…っていう場所…で…」
「…ラブホテル?」
「……その…カップル…とかが来て…そ、そういうこと……するとこ…」
「…?そういうこと?」
「だ、だから……え、え…えっち……するための場所…」
「………」
目をあわせないままそう言い切るとアルは少し固まった後に再度キョロキョロと周りを見回していた。大きなお風呂のついてるバスルームを見て、大きなベッドを見て、さっき自分が買ったオモチャを見てから俺を見た。
「……カップルってこんなとこでエッチすんの…?」
「…そ、ういう人もいるよ……」
「……ふーん…?」
アルはそう聞くとまたキョロキョロしだした。もしかしてヤられるかも…なんて思ったけれどちらっと盗み見たアルは思っていたより真面目な顔をしてて拍子抜けた。通せんぼされてた腕からも解放されアルはまた部屋の中をウロウロしだす。
「………」
……あ…『カップル』って言葉に反応したのか……
そこでやっとドラマのことを思い出した。そのためのデート(仮)だったのにそれを俺が忘れてしかもエッチするのかもなんて思ったことが恥ずかしかった。
「ねえ杉田さん。」
「えっ、あ…なに?」
「カップルってどうやってえっちすんの?」
「え、えぇ?ど、どうって…ふ、普通に…」
「普通って?」
「…え、えぇ?」
アルはいたって真面目なようでさっき買ったオモチャの説明書を読みながら俺に訪ねている。顔を上げて早く教えてよって顔をしたけれど口頭でそれを伝えるのはハードルが高すぎる…
……それに俺も普通にと言ってはみたものの女の子とエッチをした経験はない……
その時一つ、ある考えが浮かんだけれど内容のあまりの大胆さに顔が熱くなった。
こんなことを思いつくなんてまるで俺がアルとやりたいみたいじゃないか…
アルに抱かれるリアルな光景が頭の中で浮かんでぼぼっと顔が余計に熱くなる。
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