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普通の恋人

アルに『恋人同士のエッチ』を教えるため一緒にお風呂に入ることになった。今はアルが俺の背中を流してくれている…がすでに問題が生じていた。 「杉田さん、じっとしてって」 「だ、だって…ッ…ッン…」 「…手、上げてって…」 「む、むりだってぇ…!!」 アルは俺を素手で洗い始めた。オレは素手派だからと意味のわからない理論を展開し、タオルを使うことを拒否した。 ……さ、さっきからアルの手が脇腹をかすめたりすると変な声が出そうになる… 「ッん…っは…」 「………杉田さんってさ…声もエロいよね…」 「ッ!!」 そんなセクハラをアルから受けながらも俺はなんとかその苦行に耐えきった… まぁラブホで一緒にお風呂に入っている時点でセクハラも何もないような気はするけど… 「……じゃあ次は前を…」 「あっ、アル!!つ、次は俺が洗うよ!!」 「…え、でもまだ前…」 「あ、アルが背中洗ってくれてる間に洗ったからっ!!」 アルは正面も洗ってくれようとしたが色々耐えられないのでやや強引に断った。 ………恥ずかしい…のもだし…あま勃起してしまったなんて言えない… アルは不服そうではあったが俺と場所を代わってくれた。 「あ、杉田さん、杉田さんも手でやってよ。」 「…え…?」 「だってそれ、トゲトゲしてて痛いんだもん…」 アルは肩越しに俺が持ってるボディータオルを睨むとそう言った。 て、手で… 自分の手に視線を落とし、ボディータオルと交互に見る。それはそれで洗う側も恥ずかしかった。 なんとか交渉しようとしたがアルが頑なに嫌がるので仕方なく手にボディーソープを伸ばしてアルの背中に触れる。昔銀にもこうやって素手で…というかあの時はもっとひどかったけど…とにかく背中を流させられたことを思い出した。アルの背中は銀のよりも少し大きい気がした。 そんなアルの背中を眺め、懐かしさを噛み締めながら撫でていると鏡ごしにそんな俺を見ていたアルが口を開いた。 「……杉田さん、あのさ…」 「……?」 「さっきさ、普通の恋人のエッチ『したことない』って言ってたけどさ、オレ…『銀』とはしてなかったの?」 「……え…そ、それは…お、男同士…だったし…」 「…男同士だから普通のカップルじゃないって?」 「…そ、そういうわけじゃ…」

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