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衝動>気持ち

「…ッン!!っあ…っは…ぎ、ん…銀っ…!!」 「っ…!!っふ……すぎ……まな…」 「っうぅ…んんぁ…!!」 杉田さんがオレのことを『銀』って呼んで、オレは杉田さんを『まな』って呼んだ。 杉田さんがなんどもオレの記憶が戻ったのかと期待してはがっかりするのを見て、なんだかむずむずして思わず『オレを銀だと思っていいよ』なんて言ってしまった…『銀』って呼んでいい?って遠慮がちに聞く杉田さんのお願いも聞いてあげた。 『銀』って呼ばれるの…嫌いだけど…なんとなく…杉田さんのお願いを聞いてあげたい気がしたし、お願いを聞いてあげたときに杉田さんがふにゃっと顔を緩ませてホッとしたり喜んでいるのを見るとオレも嬉しい気がした… 杉田さんはしてる間もずっと目がうるうるしてて、後ろもいつもより締まってたし、いつもより感じてるみたいだった。オレの首に腕を回して体を震わせていた。 でも、しばらくすると突然しゃくりあげるような声が聞こえてきた。 「……っう…っうっぇ…うぇっ…」 「……え…え?……ま、まな?ん?杉田さん?」 「っぐずっ…うぇぇん…」 「……泣いてるの…?」 杉田さんは急に泣き出してしまった。顔を両手で抑え、隠したままなんども目元を拭うけどそれでも拭いきれないほど涙が溢れていた。 優しくしていたつもりだし、後ろもよくほぐしたのに痛かったのかと焦った。どうしたらいいのかわからなくて広いベットの上でオロオロしてた。でも少しすると杉田さんが口を開いた 「……っうう…なんで……なんで忘れちゃったんだよ…ばかぁ…!!」 「………」 「…っ…お、おれは忘れたことなかったのにっ…おれ、だけ5年間も…ずっと…」 「………」 「ううっ…銀のばかあ…」 そう言って杉田さんはまた声を出して泣きだした。 ………そんなこと俺に言われても… と思った。オレには記憶がない、目が覚めたとき実の兄も分からなかった。すっごく仲良しで、一緒に寝たり、二人暮らししてたんだよってお兄ちゃんが言ってたけど全く思い出せなかった。 だからそんな風に怒られても困る。 ………でもそう思ったのとは裏腹に急に胸がひどく痛んだ。わんわん子供みたいに泣く杉田さんがすごく可哀想な気がして、なぜかそれにひどく責任を感じた。 「………」 「……っぐず…っうえ…ぎ、ん…ぎん…」 泣きすぎて、ひゅーひゅー細く息をしながら、それでもそいつを探すみたいに名前を呟く杉田さんを思わず抱きしめた。 そうやって抱き寄せて、触れて、涙を拭ってあげたかった。そのまま杉田さんを甘やかしてたくさん泣かせてあげたい気持ちになった。

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