166 / 172

じわじわ

「…な、なぁ…ある?本当に大丈夫か…?」 「………」 アルの提案で一緒に風呂に入っていたらアルは突然喋らず動かずの状態になってしまった。さっきから声をかけているがうんともすんとも言わない。 もしかして…疲れとか…ストレスで体調が悪いのか…!? マネージャーになった時に星野さんから「アルは元気とはいえ、まだ事故のせいで定期通院もしているし体調には気を使って欲しい」と言われていた。はじめこそ気にかけていたが、最近慣れもあるせいなのか少し疎かになっていたのかもしれない。瞬時に良くない想像が脳裏を駆け抜け、慌ててアルの額に手をやってみた。その時 「っえ!?ッアんっ!アル…!!」 突然胸に違和感…というかくすぐったいような感覚が走って、思わず甘ったるい声が出る。ぱっと視線を下にやるとアルが俺の胸に吸い付いていて、そしてたて続けにぬるんっとした感覚にそこを撫でられて体の力が抜けた。そのまま下から掬い上げるように抱き上げられて、思わず目の前にあったアルの頭にしがみつく。アルはそのままくるっと体を半分回転させると俺を温泉の縁に座らせそのまま押し倒した。 「あ、アル…!!急になにすんだ…!!」 「………杉田さんってやっぱりえっちだよね…」 「エッ!?そ、そんなことない…!!じゃ、なくて…い、いま関係ないだろ!!は、離せっ…!」 さっきの行為と突然投げかけられた言葉を認識して顔が熱くなる。それを隠すようにまくし立てた。なのにアルははぁ…っとため息をつきながらも淡々としていて、ジタバタしてもアルがビクともしないのが余計にムカついた。 「ッひぁ…!!」 「杉田さんこここんな風になってたの、気づいてた?」 「うぅ〜」っと唸りながらアルから逃げようとジタバタしていたら突然股間を掴まれて、また体が跳ねた。恐る恐るそこに視線を下ろす。 「ほら、スケスケ…えっちだよね?」 「っ…!!」 そうやって視線を向けたそこはアルの細い指の間からぷくんっと飛び出して、濡れたタオルに形がくっきりと浮いていた。 「っう…あ…」 ジタバタしたせいでずり上がってきているタオルも見えて顔がぐんぐん熱くなる。 「さっきなんてね…もっと透けてたよ…お湯から上がりたての時…ほら…」 「!?」 そう言うとアルは近場にあった桶に水を溜めてから俺のそこにお湯をかけて見せた。じわっと水を吸ったタオルの色が薄くなり余計にそこに張り付いて、形だけじゃなく色までがうっすらと透けて見えた。その面積がじわじわと広がっていく。

ともだちにシェアしよう!