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ツンデレ、デレ損

「………」 「あはは」 そうっと脱衣所から部屋につながるドアを開けて顔をのぞかせてみるとアルは髪がびたびたに濡れたまま浴衣を羽織ったような状態でテレビを見ていた。アルが俺に気づいて顔を上げる。 「……あ、杉田さん、見て、これ俺映ってる」 「………」 「あはは」 自分が出てるテレビ見て自分でわらってる… 腹が立つとか悲しい以前にひどく混乱した気持ちをなんとか持ち直して、何か怖いものを見るような心持ちでドアを開けたらこれだ。なんだかあんまりな出来事すぎて夢…というか幻でも見たんじゃないかと思って出てきたのにひどく拍子抜ける。そしてそれと同時にやっぱりさっきにことは事実なんだと理解した。まだ俺のそこは中途半端に放置され無駄に火照ったままだ。 ……あそこまでやっといて「お休みだったね」ってなんだよ… やっと冷静になってさっきのことが間違いじゃないとわかると今度は怒りが湧いてきた。 普段あんなにヤリまくるくせに今日は俺が「やめるの?」って聞いても「お休みだから」とか言って中途半端なところでやめやがって…!!別にいいけどっ!! イライラしてずんずんと大股で部屋を横断して出入り口に向かうとアルが呑気に声をかけてきた。 「あれ?杉田さんどこかいくの?」 「……健斗達のとこっ!!」 「あ、じゃあオレも…」 「アルは来なくていいっ!!」 「……そう…?」 「そう!!じゃあね!!」 そのまま勢いで外に出てドアを閉めた。 ………ちょっと冷たくしすぎたかな… 最後の自分の発言が少し引っかかったがさっき露天風呂でされたことを思い出して首を振った。 別にそんなことないし…!あいつはもっと反省したらいいんだ…そもそも休みだっていうなら初めから盛らなきゃ俺があんな恥ずかしい思いをすることもなかったんだ…

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