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虚しい
「………」
少しどきどきしながら紙袋の中のものを取り出す。
それはバイブだった、銀を見送ったときにふざけ半分でくれた銀のモノの形ってやつらしいけどいまだにそれで自慰する自分が情けなかった。
終わった後にこんなものを銀に見立ててシてる自分がみじめでしょうがなくなるのがわかってるのにやめられない…
「……っは…んん…」
ズボンを下して後ろにローションを塗りつけながら解す、くちゅくちゅと控えめな音と自分の吐息の音が部屋に響く。
自分の声を聴きたくなくて唇をかむ。
いつの間にか自分で後ろをほぐすのも上手になってしまった…
「っふ…ンン…」
ちゅぅちゅぅと銀の形を模したものをしゃぶって濡らした。
十分に濡れたそれを後ろにあてがう。
おもちゃだと十二分にわかってるのに喜んで震える自分が情けなかった。
「んんんん…っあ…っぅん…」
びくっと体が震えるのを抑えながら奥までそれをいれて、抜く…
前も一緒に弄りながらその動きを繰り返す。
「…っううん…ッン…っんん」
おなかの下の方がうねってそれにしゃぶりついてるのがよく分かった。
頭がちかちかしてまっしろになってく…
だんだん限界が近くなってきてきゅっと目をつむると目の端から涙が落ちていった。
……むなしい…
「ッア…あぁっ…ぎ、ん…ぎん…」
ぶるっと背骨が震えてその震えが脳まで伝わるような感覚に任せてそのまま達して、くてっと体から力が抜けた。
はぁはぁと肩を上下させながら息をする。
「…はぁ…っはぁ…」
手を見ると自分の吐き出した精液で汚れていた。
………むなしい…むなしいよ…銀…
「…っう…っうぇぇ…」
昔もこんなことがあった気がするなんて思いながら久々に銀を思って泣きながらその日眠りについた。
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