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再会もつかの間

「………」 俺の隣で全裸で眠る男は確かに銀だった… 髪も伸びてるし髪の色も違うしそれになんかちょっとだけ肩幅とか大きくなったような気がするけど見間違うはずない…… 心臓がひどくうるさかった、思わず眼がしらが熱くなる。 何年間探したと思って…… 「……ぎ…」 「ちょっとアル君!!君今何時だと思ってんの!!今日9時に会社ねって俺何度もメールして…え…?」 「…zzz」 堪らなくなってまだ眠り続ける銀に手を伸ばしたら、あと少しのところで30代ぐらいのスーツ姿で真面目そうな男の人が部屋に入ってきた。 相当急いでるみたいで手に服とかカバンとかなんかたくさん持っている。 「………」 「………」 「…zzz」 その人と目を合わせたままお互いに固まる。その間銀は尚も寝続けていた。 でも先に動き出したのは相手の男の人だった。 ハッとしたように眠っている銀の方に目を向けてづかづかと歩いてくると銀を思いっきり揺さぶった。 俺も慌てて落ちてたタオルケットで体を隠す。 「ちょっと!!今日大事な撮影だから絶対誰か連れ込むのやめてって言ったよね!?アル!?起きて!!」 「んん~…星野さん女の人連れ込むなって言ったんじゃん~…」 「揚げ足取らないで!!誰とも寝るなって意味で言ったの!!あーもう!!早く服着て!!」 「もう遅刻でしょ~…いいじゃんもう…」 「ダメ!!」 こうしてあれよあれよという間に銀はその人に服を着させられて引っ張って連れだされそうになった。 ドアのところでやっと真面目そうな男の人の方が思い出したようにこっちを振り向いた。 銀をドアのとこに立たせたままあぁ~って顔をして時計と俺を交互に見ている。 「ちょっとここでまっててください!!夕方まで!!」 「えっ…!?ちょ…まっ…」 結局そう言い残してその人は眠気眼な銀を連れて行ってしまった。 ……え… 急にいろんなことが起こりすぎて意味が分からなかった。

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