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熱3

温かくて、まるで何かに包まれて守られているようで、心から安心できる。 幸は深い眠りがこんなにも気持ちの良いものだと感じたことはなかった。 幼い頃に両親とは離れて生活を余儀なくされていた。 甘えられるような愛着のある人物が周りにおらず、肌の触れ合い人との関わりがこんなにも温かく、一度味わうと恋しくなるものだと初めて学んだ。 「大事ないか…?気分はどうだ」 「…っ!は、はい。その、ひかる、さま…また朝までお隣りに?」 誰かに心配されるだけで胸がいっぱいになって、心が満たされる。 目を覚ますと一番に分かることは、アマテラスと、睦言を交わして今に至るということだ。 昨晩の痴態、醜態の数々が走馬灯のように駆け巡る。 添い寝されたことで恥ずかしがっていた過去の自分が可愛いく思えてくるほどだ。 言い訳を言うとするならば、『あの時はどうかしていた』。 あの時は急に熱くなって、下腹の奥が疼いて気持ちが落ち着かなくて――。 そんな時にアマテラスに優しくされたら、それに縋るしか幸の中に選択肢はなかった。 触れられれば触れられるほど、何かが満たされて、何かが欲しくなった。 アマテラスの言葉のせいで、初めて体を拓いたあの忘れられない夜を思い起こされ、とうとう身を委ねてしまったのだ。 「居てはいけないか?いい加減慣れろ。俺はお前の隣り以外では寝ん。」 「は、はい…」 「なんだ、夜はあんなことをしたというに今更恥ずかしがってどうする。ちなみに、風呂には俺が入れて着替えさせておいたぞ」 「そ、それは!も、うしわけありません…っ。私のためにそのようなことを…」 「お前は俺の愛し子だ。他人に抱いたあとの処理はさせんよ」 揶揄(からか)うように笑うと、頭を優しく一撫でされ、額に口付けが落とされた。 急な甘い攻撃とくすぐったさに首を竦める。 「そ、そういうのはいけません…」 「なら、これはどうだ?」 「へ…っ?あ、ちょ、んんっ、ぅむ…っ」 御簾から届く木漏れ日のような清い朝日が差し込める中、寝起きからアマテラスより熱く深い接吻を送られた。 「身体が辛かろう。朝食はこちらに持ってこさせよう」 「へぁ…、あいがとう、ございましゅ…」 惚けた顔と口調で礼を言うと、アマテラスは嬉しそうに目を細めた。

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