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懸想※

「紫、それはな、懸想(けそう)しているのだ。この俺に…」 「…?」 「ようやっと俺の思いが通じたのだな…芽生えてから大輪の花が咲くまで早かったな…!」 「…光様のことをお慕いしているのですか?」 まだ自覚がないようで、きょとんとした顔でアマテラスに尋ねる。 するとアマテラスは嬉しそうに頷き、『それが好きという気持ちだ』と優しく告げた。 「好き…これが懸想」 「そうだ。そしてお前の想い人である俺の想い人はお前だ…」 「……あぅ」 幸はアマテラスの腕の中で、顔を真っ赤にして気恥ずかしくて身体を悶えさせる。 「ふふん、そう可愛らしい反応をするでない。…お前の奥に俺のものだと刻みつけたいものだな…たっぷりと」 「あ、っふぁ…」 幸は耳元で囁くだけで悶える。 「光様は、そうしたら…そうしたら僕のものでいてくれますよね?」 「紫…?」 幸が意を決したように涙を拭き、アマテラスの腕の中で膝立ちになる。 「いっぱい、いっぱい頑張りますから…」 着ている着物から袖を抜き、アマテラスに上半身を見せつける。 いつもの幸らしからぬ行動にアマテラスは目を見張る。 「光様、お慕いしています…とても」 「む、むらさ…っん!」 その名を紡ぐ前に、幸に唇を奪われる。 幸からの初めての接吻に歓喜と喫驚が入り混じる。 それは拙く可愛らしいものだった。 アマテラスの接吻を真似てか、口をむぐむぐと動かす。 恐らく唇を食みたいのだろう。 「ふふふ、紫、口吸いはこうだ。手取り足取り教授してやろう」 「あ、や…んんっ」 「小鳥のように可愛らしい声だな。これからしっかり身体で覚えるのだぞ?」 「んんっ、む…ふぅっ」 幸がそれを辿ってアマテラスとの口吸いの仕方を覚えられるよう、丁寧にゆっくりと口吸いをしていく。 あまりの心地良さに幸は溺れてしまいそうになる。 唇を舌でつつかれ、掠れた声で『口を開けろ』と指示が聞こえてきた。 膝立ちのままの口吸いはいつも見る景色とは違い、アマテラスを見下ろす体勢に幸は少しの優越感を感じる。 鼓動を早めながら薄く口を開くと、ぬるりとした幸とは別の体温が入ってきた。 「んぅ…んん」 舌と舌が擦れあって、いやらしくて気持ちよくて幸の頭は次第に真っ白になる。 アマテラスの舌を追いかけると、舌を吸われたり甘噛みされたりを何度も繰り返す。 アマテラスの舌がこちらに入ってきて、やってみろと言わんばかりにピタリと動きを止めた。 「む、んふ…んぁ」 舌をちゅるちゅると吸い上げたり、幸の舌を擦り付ける。 下唇を軽く舐めたあと、唇でその下唇を食んだりもしてみた。 今度こそアマテラスに奉仕をしようと、腕に力を込めて押し倒そうとするが、アマテラスがぐらつく気配が全くない。 「この俺を押し倒す気か?全く…何から何まで可愛らしいことをしてくれる。 そのようにとろけた顔をしていては、俺の自制が効かなくなってしまうではないか」 「あぁん…っ!」 胸をぐいぐいと押していた両手をアマテラスによって捕えられ。 その官能的な瞳に射られながら首を舐め上げられ生まれたゾクゾクとした快感に、幸は声を抑えられなかった。

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