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第3話
指先に荒く触れる切りたての髪
それを辿りながら、彼の影を追う。
そんな小さな幸せ、誰にも内緒の片思いのはずだった。
「ああ、その頭の形、やはりそうだ。こんにちは」
優しい声に驚いて振り返った先に見覚えのある愛しいひと。
心臓がリズムを崩して、手が震える
「偶然ですね、これからお帰りですか?」
鏡越しでない彼の笑顔。
ええ、良ろしかったら、お茶でも。
そんなことは言えるはずもなく、ただただ小さく頷いた。
わらび様
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