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第8話

グラスを取り上げられて、甘い息と共にぬるい液体が口の中に流れ込んできた。 微かなチョコレートの香り。確かめようとしたら、スンと鼻が鳴った。 唇が離れて熱く潤んだ視線が絡まり、部屋の空気がぐんと濃くなる。 「カカオ・フィズです。飲めないのなら、次からはこうやって味わえばいい」 彼の冷たい指先と、酔いの醒める気配のない俺の熱い身体の輪郭が、触れたところから溶けだしてゆく。

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