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This could be love?-7
綾人が車に乗り込み、助手席のシートに背中を重ねた瞬間、黒埼は言った。
「よくもまぁ、ほぼ毎日稼いでくれたな、上玉さん。利息なんかとっくに払い終わって元金も今夜で完済だ」
「そう……なんですか」
「何だよ、残念そうにしやがって。味でも占めたか?」
「いえ、そんな事は……」
これで自分を待つ人は完全にいなくなる。
ホテルの駐車場に車が滑り込む。
綾人は「行ってきます」といつも通り彼に声をかけて車外に降り立つ。
しかし、彼からいつもの言葉を聞いていないと思い出し、振り返った。
「部屋番号は……」
視線の先で黒埼もまた車から降り立つのが視界に入った。
「俺が案内してやる」
カードキーで部屋を開けた黒埼に促されて綾人は中へと足を進めた。
普段なら先に客が入っていてドアを開けてくれる。
今日は後から客が来るという初めてのパターンなのだろうか。
「あの……」
問いかけようとした綾人の細い顎を黒埼は掬った。
目を見張らせる彼を上向かせて滑らかな頬をなぞる。
「腫れ、引いたな」
互いのレンズ越しに視線が重なった。
「俺が最後の客だ」
そう告げて黒埼は綾人に口づけた。
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